お知らせ

こころ模様と地元の海

千葉にやってきて約40年。故郷で過ごした時間をはるかに越えていることに驚きました。


上京当時は職も決めず、ひとつの目標に向かって突っ走っていっていたように思います。しかしある日、何気なくテーブルに置いてあった新聞の求人欄を見て応募したのがお世話になった会社でした。約30年近くいろんなことを勉強させていただいたことに感謝しています。わがままで世間知らずのワタシを親身になって指導してくださった先輩方には頭が上がりません。

入社して何年かは忘れてしまいましたが、伊賀上野からの国内訓練生の教育を命じられた時に彼らが「海を見たい!」と言うので犬吠埼に連れて行ったことがありました。夜の、しかも多少荒れている岬の海はすごいというより脅威を感じてしまうぐらいな勢いだったことだけはよく覚えています。
ワタシが育った岡山の海は瀬戸内海。穏やかで静かな海です。地元の海はこうでなきゃという思いが強くありました。そことのギャップも大きく、なかなか地元の海と思えなかったような気がします。しかし、今では海といえば太平洋。荒々しく、白波を立てゴーゴーという音を立てる勇ましい海がワタシの思う海になりました。長い時間がそう思わせるようにしたのでしょうか。それとも瀬戸内の海を忘れてしまったのでしょうか。

海のそこここで見た姿が違うのは、もちろんロケーションのちがいもありますが、その時々のこころ模様で違うのだと思います。見方ひとつでいろんなことを思える、そんなことを思い出しながら「地元の海」を眺めると気づかなかった自分のこころを知ることができるかもしれませんね。